最強の攻撃と防御は変化しつづける事。多分、マーケティングにおいても。
だんだんと日の入りの時間が長くなってきましたね。
みなさん今夜もお疲れ様です。
さて、WIREDさんに2015年のものですが面白い記事がありました。
40年間で人の消費の傾向はどう変わったのか?
そしてIT化による効率化とデータの取得による客観性の中で企業はどのように行動すべきか?
という内容。
かつての70〜80年代の小売を振り返ってみれば、「需要が顕在化した時代」と言い換えることができます。人々は貧しく、ものをもたなかったため、生活を便利に、豊かにしてくれるものを企業が提案すれば、それを買ってくれました。
これはその通りだと思います。ただ70年代ではなく60年代の高度成長期の方が当たるのではないか?とは思います。
戦後焼け野原になり何も無い状態から”モーレツ”に働いて経済が成長して余裕が生まれつつあった時代ですので、「何が欲しいか」ということは言われるまでも無く分かってるのだと。
それがゆえに企業も「何を作ればいいか?」ということがわかるわけですね。
しかしこれが70~80年代に入ればモノが溢れかえってくるために、何か別のメリットををつけて企業は消費者に売らなければなりません。
いわゆる製品機能としての「付加価値」というやつです。
消費者も当然ですが個性を求めるようになります。
そりゃそうですよね。もう最低限欲しい欲求は満たされたわけですから、次は自分の好みを考えるだけの余裕が生まれるわけです。
さて、これが現代社会になるとさらに抽象的な消費行動に変わってきます。
しかし、いまは「需要が潜在化した時代」です。生活に必要な一通りのものは、すべて所有しているので、日常生活の中では「これが必要だ」というニーズが、消費者自身にも見えづらくなっています。
つまり、製品やサービスの機能そのものよりも、それによってどんな体験ができるのか?これが本当に必要なのか?と一歩先まで踏み込んだ理解が必要、ということです。
モノがあふれ、多機能になる、そうすれば今度は消費者側はワケがわからなってしまうのだということなんだろうなと。
さらにインターネットが発達することで企業活動と製品やサービスが良くも悪くも暴かれるようになってしまいました。
また個人が情報を発信できるSNSの登場により議論が交わされ、社会的な切り口の意見が増えてきました。
つまり、隠された製品のニーズに加えて、
「今後世界をどう良くしたいの?」
という精神的な考えが消費者の行動に強い影響を与えていると言えるでしょう。
ややアカデミックなところでいうと、"マーケティングの神"と呼ばれるフィリップ・コトラー教授は、これらの企業と消費者の行動の変化を"マーケティング3.0"として定義しました。
また競争戦略論で有名なマイケル・ポーター教授は企業がビジネスをもってして社会問題を解決する"共有価値の創造(Creating Shared Value)"を提唱しています。
その他にも、値札を電子ペーパーのデジタルプライスカードに切り替えるなど、まだまだITによって省力化できる余地はあります。そしてその余力で、お店はもっとお客様に向き合う必要があります。
これはまさしくその通りだと思います。従来の定性調査だけでなくデータによって定量的に調査をできるのでより根拠のあるマーケティング戦略を実施できるでしょうし、
効率化することであまった時間をより精神的に、よりお客様と一体となって目的に向かうということが可能となるはずです。
様々な技術が登場することでよりマーケティング戦術は増えていますし今後もバズワード化すると思いますが、
この土台を抑えるかどうかで運用時の効果は大きく変わると思います。
ステルスマーケティングやウザイ広告も残念ながら世の中にあふれていることは事実かもしれません。
ただし、本来マーケティングは世界をより豊かにする手段の一つだと私は信じていますす。
(マーケティング3.0の次に4.0もあったりしますが、それはまた後日)
以下参考文献&サイト様