まさかの卒業証書!?RED BULLから"翼"と"エナジー"を授かった話。
テストで一夜漬けをするハメになった時、仕事疲れでシャキッとしたい時、夜に騒ぎたい時、などなど...。
そのエナジーに翼を授けられて飛んで行ってしまった人はきっと多いハズ。
筆者も何を隠そう、その一人。No RedBull No Lifeな生活を毎日送っていた時期があります(笑)(今も毎日ではないですがよく飲んでいます。)
レッドブルといえば猛スピードの飛行機が競い合うエアレースや、
High Speed Air Racing in Budapest - Red Bull Air Race 2015
GoPro: Red Bull Stratos - The Full Story
などなど、クールでぶっ飛んだイベントを企画することで有名ですね。
でも、全くのノーマルな人間な僕には、こんなクレイジーなことはできません!
しかしそんな僕もレッドブルに一番の感動体験を抱いたことがあります。
それが大学の卒業式の日のことでした。
ナニがあったのか。
その日は大学の締めくくりとなる卒業式。
朝っぱらからスーツを着て、会場となる体育館へ行くとすでに人だかりが。
入場しようとウロウロしていると、友人Y君に遭遇。
すると、「マツバラ、レッドブルのコレもらった?いつもの場所で配ってるでー」
と、こんな↓レッドブルのロゴが描かれた細長い缶を見せてきた。
どうやら金属で出来た卒業証書入れらしい。中身を見せてもらうとレッドブルからの卒業証書とレッドブルが2個。
早速配られている体育館横の道路に直行し、レッドブルのお姉さんにドキドキしながら、
「ご卒業おめでとうございます!中に2つ入ってるので1缶は今夜騒ぐ時に、もう1缶は入社の日に飲んでください〜」
と、言われながら貰いました。
と、こんな感じで見事にレッドブル式卒業証書を求めるがままにゲットした僕ですが、振り返ると次の点でよく練られたプロモーションだったのだと思います。
- プロモーション臭くないプロモーション
- 2段構えのアウトプット
- バレている大学生の習性
- 飲む理由と一致したタイミング
1.広告クサくない広告
広告くさい広告、って日常にあふれていますよね?
街を歩けば看板が乱立し、スマホを開けばバナーや動画の広告がうっとうしいくらいに流れ込んできます。
しかしこのレッドブルの卒業証書、一見すると広告っぽさはほぼありません。
それどころか人を楽しませるコンテンツそのものと化してる、と言えるでしょう。
道端で配ってることなどから推測すれば広告だと分かりますが、この卒業証書入りレッドブル缶という媒体は広告臭さはかなり少ないのではないですかね?
ある調査では人は1日に300を超える広告に触れるそうです。
こうなると回りの広告といかに違いを出せるか、といったことが必要になるわけです。そう言った意味でも卒業証書入れというのはオリジナリティに富んでいると思います。
2.2段構えのアウトプット
レッドブルのお姉さんが「中に2つ入ってるので1缶は今夜騒ぐ時に、もう1缶は入社の日に飲んでください〜」と言っていることは何気にすごい事だと思います。というのも1回の広告で時間差で2回の効果を期待できるからです。
1回目は夜騒ぐ直前に飲む事になりますし、2回目には入社時に飲む事になるわけですから。しかも大学生に配るわけですからTwitter・Facebook・Instagramにアップされることも期待できるわけです(というか僕もしちゃいました)。
また、金属で出来た缶という性質上、なかなか捨てにくいというのもあります。
実際就職して引っ越した今でも自分の部屋の机の上にこの卒業証書入れをなんとなく飾っています(笑)。
3.バレている大学生の習性
卒業証書の文章に注目。
そう、「テスト前の一夜漬け」というのが見事にバレています(笑)
いかにターゲットにしたい相手の行動を読んでいるか?ということがこれだけでもよくわかります。
また、「マジメになる前に、まずは、この門出を祝いましょう!」という言い回しは大いに楽しんでいた学生時代を終えて、働き始める大学生の不安と期待が入り混じった気持ちをうまいこと代弁することで共感を得やすい構成になっていると思います。
個人が手に取る媒体に配慮されているのではないでしょうか?
4.コンセプトに一致したタイミング
やや上記の理由と被ってきますがこれが最大の理由だと思います。
だって人の門出を祝うという形で「翼を授ける」というコンセプトを貫いているから。
つらつらと書いてきましたが、マーケティング的な分析やそれを表現するクリエイティブ以前に、強力なコンセプトが固まっているからこそ実現できたのだと思います。
そうしないとなぜ分析するか?なぜ創るのか?と迷った時の指針になることでブレないアウトプットが生まれるのでしょう。
おわりに
このようにレッドブルは「翼を授ける」という強力なコンセプトの下、お客さんの目線に立って広告クサくない広告を作る事に本当に腐心しているのだと思います。
また、派手に広く広まるイベントに頼らず、個人と向き合う広告もカバーしている点はよく考えられてるなと思います。
思い出しながら書き上げましたが、やっぱりこれからも僕はレッドブルは飲みづつけると思います(笑)。